病気・怪我ここでは、デグーの病気に関しての基本的な考え方を紹介します。ですが、まず適正な飼育によって、デグーの病気の大半は未然に防ぐことができます。飼い主は病気の治し方ではなく、予防方法を勉強するべきだと思います。デグーが健康なのか病気なのかを見分けるためには、彼らの動きや外見を注意深く観察することが重要です。毛並みの乱れや目の輝き、食欲や糞の状態などを頻繁にチェックするようにしましょう。
デグーが病気にかかっているのではないかと判断したら、掲示板で質問するよりも、まずは獣医のアドバイスを受けてください。素人判断は危険です。信頼のおける動物病院で検査を受けるのが確実です。
もし伝染病だった場合、他の個体にも病気が移る可能性がありますので、まずはそのデグーを他の個体とは別のケージに移してください。その際の別ケージは、適度な暗さを保ち、静かな場所に置いてください。
次に、他の個体についても同様の症状が出ていないか調べます。数日間観察を続け、同じような症状が他の個体にも見られるようであれば、最初の個体と同じように隔離します。
次に、病気になったデグーが生活していたケージを、きれいに洗浄します。水飲みボトル、餌皿なども含め、徹底的に洗いましょう。餌や巣材は捨ててください。病気のデグーを扱った後、他の個体を扱うときは必ず手を洗いましょう。伝染性の疾病が、他の個体や餌に移るのを防ぎます。
動物病院までの輸送手段としては車が一般的だと思いますが、輸送の方法が良くないとデグーの症状が悪化します。まず車内の温度に気をつけ、できれば普段から使用しているケージごと運ぶのが安心です。音や光を遮断するために、大きなタオルなどでケージを覆っておきましょう。
獣医に対しては、おおむね以下にあげる項目について答えられるようにしておいた方がよいでしょう。これらの情報は、獣医が状況を判断するために使用されます。
他にも気付いた点があれば、どんどん追加していきましょう。
外傷の原因は、ほとんどの場合ケンカによるものです。デグーは比較的おとなしい動物で、あまり攻撃的ではありませんが、まれに対立しているデグー同士がケンカをします。オス同士はケンカをしやすいので、その際は生まれたときから一緒にいるオス同士を飼うか、オスとメスのつがいで飼うことによって、ケンカの発生を抑えられるかもしれません。
デグーは鋭い歯を持っているので、時として喧嘩で重傷を負うことがあります。耳や鼻、手足や背中などが噛まれやすい部分です。通常、噛まれた傷は特別な処置を施さなくても自然に完治しますが、ひどい傷や血が止まらないような場合は、獣医に診せた方が良いでしょう。
歯の問題の多くは、正しい食事を与えることで回避できます。正しい食事とは「主食を牧草に」ということに他なりません。繊維質の豊富な牧草は、食べるのに時間がかかります。時間がかかるということは、それだけ咀嚼の回数が増えることになり、結果として歯は正しくすり減っていきます。ペレットは簡単に歯で砕けますので、栄養的にはプラスでも、歯にとってはマイナスです。
デグーの前歯(門歯)の色はオレンジです。門歯はエナメル質からできていて、牧草が胃で消化されるときに生成される酵素の一部が、唾液と混ざって鉄分として歯に沈着し、オレンジ色になります。もし歯が白かったら、それは不健康な証拠です。白い歯は栄養上の問題があるか、病気の可能性があります。ただしまれに、主食の牧草をいきなり別の種類に換えるなどで、一時的に歯が白くなってしまうこともあるようです。それまで体内で消化のために使われていた酵素では、新しい牧草に対応ができないため、対応できる酵素が体内で作られるまでの間に歯が白くなってしまうのかもしれません。
歯は生涯伸び続けますので、彼らが何かを囓ることによって、絶えずすり減らされていきます。伸びる歯は、根元部分以外に神経はありません。とても馴れているのであれば、片方の手でデグーを抱え、もう片方の手で優しく上唇をめくり、門歯を確認することができます。
門歯が正常に生え揃わないと、歯が不揃いになります。これは「不正咬合」と呼ばれ、もしかすると遺伝的なものかもしれません。不正咬合のデグーは、食事を取ることが困難になるか、もしくは全くできなくなります。これは囓り木などで治るものではありません。兆候は、歯が飛び出していたり、食欲が減少したり、体重が減ったり、口が腫れていたりすること等です。
一時的な処置になってしまいますが、対応としては、問題となる歯を切り揃えてしまうことです。小さな動物用爪切りを使って自分でもできますが、誤って門歯を砕いてしまう危険があります。素人は獣医に任せた方が間違いがないでしょう。もし自分でこれらの処置を行うのであれば、細心の注意を払ってください。また、歯が伸びてきたら定期的に切り揃える必要があるでしょう。
まれに門歯は折れたりなくなったりすることがあります。大抵の場合、折れた歯は再生しますが、それまでの間反対側の歯は、遮るものがないため成長しすぎてしまうかもしれません。そうなったら歯が元通りになるまで、反対側の伸びすぎた歯を切り揃えてください。
歯茎に原因がある場合、それが治るまで歯は抜いておく必要があるかもしれません。また、そのデグーは口が腫れていたり、ものを食べなかったりするかもしれません。ですが、それを私達が判断することは難しいと思いますので、歯の治療に関してはやはり専門の獣医に任せるべきではないかと思います。
デグーの耳は比較的大きめですが、それでも耳の中までを正確に見ることは難しいので、何か問題が起こっているかもしれません。頻繁に耳をひっかいたり、頭を振ったり片方に傾けたり、またバランスを崩しているような時は要注意です。
耳の中に汚れや塊を発見したときは。コットンに染みこませたミネラルオイルで拭き取ってください。かゆみを取り除くことができるかもしれません。もしその問題が伝染や寄生虫によるものであれば、専門の獣医の診断や、専門器具による治療が必要となるでしょう。デグーが痛そうにしていれば、すぐに獣医と連絡を取ってください。食欲がなくなったり、怒りっぽくなったり、あまり活動しなくなったり、患部をなめたりひっかいたり、頭を傾けたり、キーキー鳴いていたりすれば、それはデグーが痛がっているサインです。
目の問題は、傷や伝染、あるいは何かの刺激物から発展してしまうかもしれません。目の問題の多くは痛みを伴ったり、光に対して過敏になりますので、ケージを暗い部屋に移動させましょう。
目の問題は判断が難しく、どれも似たような感じに見えます。例えば角膜の潰瘍と白内障は、どちらも目が濁った感じになります。また、いくつかの問題は治療不可能か、さらに他の健康上の問題を引き起こすことがあります。目の周りが濡れているのは危険信号です。1〜2日で治らないようであれば、獣医に診せた方が賢明です。
白内障は、デグーが年を取るごとに発生率が高まってきます。老化による自然現象ですので、この場合は治すことはできません(手術で治せる場合もありますが、デグーの身体に相当な負担をかけてしまいます)。白内障は糖尿病の動物にも多く見られますので、デグーに砂糖を多く含んだお菓子をあげることは極力避けたほうが良いかもしれません。
通常、爪切りは必要ありません。デグーは自分で爪を噛んで整えます。よく見られるのが、毛繕いの後に爪をパチパチ噛む行動です。それは爪の清潔さを保ち、伸び過ぎを防ぐために必要な行動です。しかし、爪は何らかの力で引っかかって裂けたり、出血したりするかもしれません。指に影響がなければ爪はまた生えてきますが、病原菌の伝染を防ぐために、傷口を清潔にしておく必要があるかもしれません。
裂けてしまった爪は、人間の赤ちゃん用爪切りを使って、注意深く切り揃えることができますが、裂けている爪を整えるときは、さらにダメージを与えたり出血を避けるためにも、先端を少しだけ整えるようにしてください。また、デグーの指は非常に小さいので、自信がないときは獣医や専門士にお願いした方が良いでしょう。
胃や腸の問題は、バクテリアやウイルス、寄生虫や適切でない食事、ストレスや適切でない住環境によって引き起こされます。これらはしばしば治療に骨の折れる症状となり、お腹が膨れたり便秘や下痢を併発します。
健康的なデグーの糞は、黒っぽくて適度に堅さがありコロコロしていますが、軟便は茶色く、そして柔らかくなります。原因は色々考えられますが、餌が変わったときや環境の変化、おやつの与え過ぎなどが考えられます。
便秘は便がさらに固く乾いていて、排便を困難にします。原因は脱水症や十分に水を飲めないとき、暑くて乾燥している環境、または腸や寄生虫の問題が考えられます。まずは、水がしっかり飲める環境であるかどうかチェックしてください。乾いた餌をやめ、便の調子が元に戻るまでは湿った野菜などを与えてください(ですが急に餌を換えることはストレスにつながりますので控えましょう)。
下痢は、疾病、伝染、ストレスあるいは過剰な野菜、果物の摂取等で起こり得ます。早めの処置をしないと脱水症を併発して、最悪の場合は死に至ることもあります。糞が軟らかかったり、粘性が高かったり、液状だったりする場合、肛門周辺が汚れているかもしれません。1?2日で症状が改善しないようであれば、獣医に診てもらうのが良いでしょう。
腹部の膨れは、胃腸内にガスがたまっている恐れがあります(単に太っているデグーは除く)。腹部が膨れる原因は、胃腸の障害と同じように、バクテリアやウイルスなどに因るものです。腹部の膨れは緊急事態だと考えたほうが良いでしょう。時にはすぐに死んでしまうこともあります。どのような処置が必要かは、獣医に相談するべきです。
皮膚病は、皮膚に寄生する小さな虫やアレルギー、ホルモンのバランス、不適切な食事、疾病あるいは菌性、細菌感染症などによって引き起こされます。毛が抜けたり傷があったり、湿って赤くただれたような部位は、皮膚病かもしれません。皮膚病の正確な原因を特定するためには、獣医の専門知識が不可欠です。菌培養をしてもらえるのであれば、真菌かどうかを確かめることができます。また、治療には特定の薬が必要となることがあります。
念のため、普段使用している砂浴び用の砂や床材を点検してください。ひどく汚れている場合は交換しましょう。ただしデグーは砂浴びをする際に、そこでオシッコもします(匂い付けのため)。新しい砂があると、そこでオシッコをしてグルグル回転しますので、原因が体内の菌だった場合、体毛にさらに別の問題が発生するかもしれません。砂浴びのさせすぎには注意してください。
心臓や肝臓、腎臓あるいは他の内臓に関する病気は、ときに治療できないこともあります。老化や糖尿病、癌のような遺伝に関連した多くの問題も、防ぐことができません。デグーがこのような、治療することのできない問題を抱えていることが判明したら、残念ですがどうすることもできません。
夏場の室内など、空気の対流が起こらず、暑くて乾燥しているところに長時間いると、デグーは熱射病にかかります。暑さに強くないデグーにとって、熱射病は致命的です。熱射病の症状としては、まず動かなくなり、横倒しになって呼吸が荒くなります。また、耳が真っ赤になり、時として下痢も併発します。まずはデグーの体温を下げ、その後で水分を与えましょう。
応急処置としてデグーの体温を下げるには、身体を手で軽く握って持ち、水道の蛇口(ただし水が冷たすぎないこと)の下に持っていき、静かに水を身体にかけます。安全に呼吸ができるよう、必ず頭は水の外に出しておいてください。デグーの意識が回復したら乾かしてあげて、暗くて乾燥した場所で休ませてください。そしてバランスのとれたスポーツドリンクなどを与えてください。またその際、水が肺に入らないよう、必ずデグーの意識があることを確認して、しばらく様子を見ましょう。
十分に水が飲めなかったり、暑くて乾燥した環境下では、デグーが脱水症になる可能性があります。脱水症は、病気や下痢をしている状態でも起こり得ます。
治療法は補水(水を飲ませること)です。脱水症は、体内からミネラル分が失われていますので、ミネラル入りの水が良いでしょう。もしデグーが脱水症にかかってしまったら、すぐに新鮮な飲料水を与えてください。弱っているときに無理に飲ませると、肺の中に水が入ってしまうことがあるので、注意してください。
デグーがぜいぜい言ったり、頻繁にくしゃみをするようであれば、何らかのアレルギーの可能性があります。あるいは細かい粉状のもの(巣材も含む)が、呼吸器官を刺激しているのかもしれません。よりひどい場合、肺炎になる可能性があります。住環境をチェックして、疑わしい部分は改善しましょう。
他にもデグーの病気は色々ありますが、その多くは症例が少ないため、専門家でなければ判断できないものもあります。また、症状が現れる頃には手遅れになっていることもあります。ですが、餌と飼育環境にさえ注意すれば、その多くは防げるものだと思います。
デグーは、病気と誤解してしまうような、いくつかの特徴を持っています。
膿と間違えることがあるほど、健康なデグーの尿は濃くて黄色です。……と言われていますが、実際は与えている牧草の種類や個体差などで、薄い色や他の色(赤っぽくなる等)になることもあるようです。
メスのデグーが妊娠しているかオスと別居しているときは、膣の入り口は小さい膜で覆われます。この膜は出産の兆候があるときに開いたり閉じたりすることがありますが、これは通常の挙動であり、問題ではありません。
子供の歯の色は白です。これは、歯がオレンジ色になるメカニズムを理解すれば納得できるでしょう。歯がオレンジ色になる理由は、デグーが草を食べると、草に含まれる葉緑素や鉄分が、デグーの体内にある酵素と反応して、それがオレンジ色としてデグーの唾液中に混入してきます。唾液がオレンジ色になり、歯に沈着していくことによって、結果としてデグーはオレンジ色の歯になるというわけです。
【このページの更新履歴】
公開:2003年3月30日
最終更新日:2007年12月13日